こんにちは、ねこまるです!
前回の記事では、寝たきりの状態からリハビリバイトを経て、周囲の反対を押し切り「マネージャー」として社会復帰を果たした話をしました。
まだ読んでいない方は、先にこちらをご覧ください。
「完全復活!めでたしめでたし」
…と言いたいところですが、現実はそんなに甘くありませんでした。
今日は、復帰直後に私を襲った「躁状態の罠」と、再び心が折れかけた時のお話をします。
「何でもできる」という万能感の正体
マネージャーとして働き出した当初、私は自信に満ち溢れていました。
今思えば、あれは回復したのではなく、双極性障害特有の「軽躁(けいそう)状態」だったのだと思います。
「今の俺なら何でもできる」
「ブランクなんて関係ない」
そんな根拠のない万能感に支配されていました。
しかし、現場は残酷です。
襲いかかるジレンマ
実際に働き始めると、体がついていきません。
昔は当たり前に出来ていた業務が、スピードも精度も落ちていて、まったく出来ないのです。
それなのに、立場は「マネージャー」。
部下には指示を出し、時には指摘もしなければなりません。
「自分も出来ていないのに、人に偉そうなことを言わなきゃいけない」
この矛盾とジレンマが、ボディブローのように精神を削っていきました。
年上の部下と、電車での過呼吸
そんな精神状態で、ある「壁」にぶつかりました。
一人の年上の部下の存在です。
私が指示を出しても、
「前はこうじゃなかった」
「それは違うんじゃないか」
と、事あるごとに強く反論してくる方でした。
普段なら受け流せたかもしれません。
でも、「出来ない自分」に焦りを感じていた私には、その言葉がすべて「お前ごときに何が言えるんだ」という攻撃に聞こえました。
躁から鬱への急降下
強いストレスを受け続ける中で、私の「躁状態」の魔法は解け、一気に「抑うつ」へと転落していきました。
ある日の出勤中、電車の中で突然息ができなくなりました。
過呼吸です。
「ああ、またダメかもしれない」
電車を降りてホームのベンチでうずくまりながら、私は再発の恐怖に震えていました。
2度目の退職願と、予想外の展開
復帰からわずか2、3ヶ月。
私の心は限界を迎え、些細なことでもすぐにイライラして沸点が低くなる状態に戻っていました。
「これ以上は無理だ。迷惑をかける前に辞めよう」
私は上司に退職を申し出ました。
しかし、そこで予想外の言葉が返ってきました。
「辞めるな。一度、別の店舗へヘルプに行ってみないか?」
上司は私を見捨てず、環境を変えるチャンスをくれたのです。
束の間の安息(ヘルプ期間)
言われた通り、私は一時的に別の店舗へ「ヘルプ」として行くことになりました。
そこは若いスタッフが多い活気ある店舗でした。
年上の部下からのプレッシャーもなく、私の経験を素直に聞いてくれる若い子たちとの仕事。
「あ、仕事って楽しかったんだな」
そう思い出せるような、穏やかで落ち着いた2ヶ月半でした。
ここで私は少し自信を取り戻し、「まだやれるかも」と思い始めていました。
新たな試練:論理的すぎる上司
しかし、安息の日々は長くは続きませんでした。
ヘルプ期間が終わり、正式に新しい店舗への「異動」が決まったのです。
そこで待ち受けていたのは、私が最も苦手とするタイプの上司でした。
- 常にローテンション
- 感情が見えない
- 理論的に詰めてくる
「ねこまるさん、今の発言の根拠は?」
「なぜその判断をしたんですか?数字で説明してください」
感覚派で、人間関係を重視する私とは水と油。
癒やされたはずの私の心に、再び暗雲が立ち込め始めました。
異動からたった数日で…体が拒絶した
「苦手なタイプの上司だけど、仕事だから割り切ろう」
「せっかくマネージャーを降りて平社員に戻り責任がなくなったんだから」と
頭ではそう自分に言い聞かせていました。
しかし、心より先に体が限界を訴えました。
異動してたった2、3日が経った頃です。
仕事中、突然その症状は現れました。
- 止まらない手の震え
- 激しい腹痛と下痢
- 込み上げてくる吐き気
「あ、これヤバイやつだ」
直感的にそう思いました。
冷や汗が止まらず、立っていることさえできません。
私は仕事場からすぐに早退し、這うようにして病院へ向かいました。
まさかの診断名
病院へ向かう道中、私は絶望していました。
「まただ。また『うつ病』が再発してしまったんだ」
せっかく社会復帰したのに、また振り出しに戻るのか。
そんな暗い予感しかありませんでした。
しかし、医師の口から出た診断名は予想外のものでした。
「適応障害ですね」
え? うつ病じゃなくて?
テレビの中の話だと思っていた
「適応障害」
その名前は知っていました。
テレビで芸能人が活動休止を発表する時によく聞く病名です。
どこか遠い世界の、特別な人がなるものだと思っていました。
「まさか自分がなるなんて」
夢にも思っていませんでした。
でも、医師の説明を聞くと妙に納得しました。
特定の上司、特定の環境(ストレス因)にさらされた途端に、体が強烈な拒絶反応を示す。
私の体は、私が思う以上に正直に、その環境に対して「NO」を突きつけていたのです。
最後に:体は嘘をつかない
「まだ頑張れる」
「これくらい我慢しなきゃ」
頭(理性)はいくらでも嘘をつきます。
でも、体は絶対に嘘をつきません。
異動してわずか3日。
あまりに早い崩壊でしたが、それは私の体が「これ以上ここにいたら、今度こそ壊れて戻れなくなるよ!」と、全力で非常ベルを鳴らしてくれたのだと思います。
もし今、会社に行こうとするとお腹が痛くなったり、涙が出たりする人がいたら。
それは「甘え」ではなく、体が発している命を守るための警告です。
テレビの中の話ではありません。
誰にでも、明日突然起こりうることなのです。
どうか、体の声を無視しないで逃げてください。
本記事の内容は、筆者の個人的な体験談であり、医学的なアドバイスではありません。 症状や治療法には個人差があります。
具体的な診断や治療方針については、必ず主治医や専門機関にご相談ください。



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